俺の天使と下撲が修羅場すぎる

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う~む。やはりこうしていては埒があかない。これは本人を叩き起こして事情を聞き出す他にないな。 そうと決まればさっそく 「起きなさいこのどろぼーねこ。キヨトの貞操を危機に曝すなんて絶対に許しません」 ってステラさぁぁぁぁぁぁんッ!? そんな無邪気な顔で眠っている天使を叩き起こすなんて、それが天使のやることですか!? ぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちっ やめたげて、やめたげてよステラ!その娘は別に悪い娘じゃないんだから許してあげてよ! 「…うにょ……ひりひりする…」 「さあ吐きなさい。何故キヨトと共に寝ていたのですか?返答次第ではあなたを殺します」 「ふゆぅ…?にゃんれしゅか…わたひはまら寝たりにゃいれひ」 「起きなさい」 ぺちぺちぺちっ 「ふえぇぇぇぇっ。痛いよぉぉぉ…」 なんて寝起きの悪さなんだヒコにゃん。あんだけの往復ビンタを受けながらもなお寝続けようとするなんて、むしろこれは図太いと言うか? それにはステラも苛立ってきたのか、手をパーからグーに……って 「待てよステラ!それはさすがに見逃せねぇって!」 さすがにグーで女の子殴る天使はいないだろ、普通。 しかもヒコにゃんさっきのビンタで半泣きしてるんだぞ。 これ以上やるなら俺は止める。じゃないとヒコにゃんが可哀相だ。 「ふえぇぇ……ご主人様ぁ…」 啜り泣きながら近付いて来て俺の服の裾を引っ張って来た。 ……って、ご、ご主人様? 「…!!………こ、ヒコ、くっ……この、どろぼーねこ…!」 「ふえぇぇっ。ごゆ人しゃま、あきゅみゃがいじめましゅぅ……」 「え、あ…あぁ…」 今、何となくだが…いやホントに何となく、背筋に何かが走ったかのようにゾクゾクってした。 泣き縋るヒコにゃんを見てると……こう 過虐心がくすぐられるって言うか。 「……助けてほしい?」 「ふぁい…」 「……じゃあ俺の足舐める?」 「よりょこんでぇ…」 いやいやいや!待て俺、さすがの須田嘘人でもそんなSMに近い行為はしてはいけないかと! 「……ご主じゅんしゃま?」 ゾクゾクゾク… やべえ。何かに目覚めそう。
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