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「ほ、ひょんっ……ホントですっ!」
ヒコにゃんはさらに口を吊り上げて、怒ってますと言いたそうな顔をしたが、返ってくすぐられるって言うか……。
やはりヒコにゃんの泣き顔や怒った顔を見ると、困らせたくなる衝動に駆られる。
まあそれも俺だけだろうが。
リムもステラも、ワリとノーマルだと思うから、この気持ちはわからないだろう。
「ホントでゆ……ごゆじんしゃまが良いって……言って…くりぇたのに…」
ヒコにゃんのガックリと下がる肩を見てやり過ぎたと思い反省。
ちょっと度が過ぎたのか?いやでも俺はただ彼女の言葉を否定しただけだ。断じて悪くはない、と思う。
「……そん時。俺は寝てたんだよな?」
「グスン………ひゃい」
「…………」
頬をポリポリと掻いて、改めてヒコにゃんが言ったことを整理してみた。
ヒコにゃんは俺が寝てから承諾を取ったら俺は普通に許可した。そして一緒に寝た。
うん、有り得る。
「……ふ、ふん。確かそんなことを言ったような、言ってないような…」
「き、キヨ…ト?」
俺の言葉が信じられなかったのかステラは目を丸くして俺の顔を凝視し、そのまま固まった。
ステラは俺に絶対的な信頼を寄せているのだから、俺が手の平を返せば当然こうなるか。
リムは……何も考えていないな。冷蔵庫漁っているし…。
「ん~………たしかに寝ぼけて言ったかもな、うん。もしかしたらお前と寝ようって言った…のかな?」
俺は曖昧に言い言葉を濁して相手の反応を待った。
「はいっ、言いましゅた、じぇったいでしゅ!」
…いやまあ、そう言うしかないだろうけど。
もうこれは肯定するしかないか。あとはステラが問題だが。
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