おそらく俺は嘘つき狼

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テレビが気になるのか? もしかして、天使とかの居る世界にはテレビがないのか? が、まあテレビはただ見詰めてただけらしくすぐに視線を外した。 少女を部屋の中央にあるテーブルの、俺と対になる方へ座らせて話しを聞く事にしよう。 「そこに座ってくれ」 「はい」と少女は答えて座布団の上に、正座を崩したようにして座った。 いちいちこの子可愛いな。つうか天使が正座したらある意味カルチャーショックだ。 「で、聞きたい事があるんだが。…わかるか?」 「いいえ、わかりません」 あれぇ?普通こういう風な不思議少女って、大体の説明をレロレロ喋ってくれるもんじゃないの? あ、あれか。反抗期か。天使のくせに生意気な。 「ですが…」 少女は俺から視線を外し、目を細めて俯くと小さな声で言った。 「あなたが今知りたい事は、おそらく…」 「う、うん…」 少女は真剣な眼差しを俺に向けて 「私が天使であるかどうか……ではないでしょうか?」 はい、ハズレ。残念無念また来週。 とは言わず、彼女が天使云々の話しより何故彼女が俺を助けたのかが聞きたい。 「なあ、お前はなんのために俺を助けたんだ?」 天使は俺の質問にハッとしたような仕草を見せて、若干口許をつり上がらせた。 それから彼女は説明してくれた。 「では、何から話しましょうか…」
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