俺の天使と下撲が修羅場すぎる

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『ありがとーございましたー』 街中にある小さなドーナツ店。とは言っても某王手の方だけど。 そこでドーナツを二つ、持ち帰り用にさらに三つ買って、ドーナツを買い食いしながら帰路をノロノロと歩きながら帰る。 こうして休日の昼間からリムと街を出歩くのも何か慣れて来たと言うか。一月前の俺だったら考えれない。 だいたい休日は魅華達に叩き出されるようにして家を出て遊び歩かされるのが常だった。 しかしここ最近は珍しいことに、あいつらからの急な呼び出しがない。 平日休日問わず駆り出されてた俺には嬉しいことなのだが、こうも急にお呼びがかからなくなるとどこか寂しく……って、まさかこれはツンデレ?ツンデレなのか俺は? 毎度のことながら、くだらないことを考えるとため息が出る。 その行為自体は良くないものだと自覚してはいるが、癖のように自然と出てしまう。 まあ出てしまう物は仕方ない。仕方がない。 それに、今俺の隣を歩いている奴はそんな些細な他人の仕草を気にするような奴じゃない。 嬉しそうに円型の菓子を頬張ってるコイツには、俺のため息なんて届いてなんかいない。 その代わり俺がコイツのする仕草を、少し気にしてたりはする。 なんて言うか……コイツのサイドテール。 ドーナツを食い始めた頃から脳の隅っこで気にしていた。あまりにも不可思議だった。 彼方のポニーテールはそんな事にはならなかった。てかなるはずがない。 なのに…… なんでコイツのサイドテールは、嬉しくなるとこんなにもブンブンと振れるのか。 ホントに子供みたいだ。…違った、小犬みたい、だ。 餌や玩具を出されただけでホイホイ着いて来るなんて危なっかしすぎる。 もし、ここに立っているのが俺ではなく、いつぞやのロリコン共だったらコイツ完全に掘られてたぞ。 そう想像すると冷や汗が出て来た。 同時によかったと、安堵の息も漏れる。 コイツが命を狙ったのが俺で……と。
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