おそらく俺は嘘つき狼

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まず、私の存在からです 私は、お察しの通り天使です クラスはドミニオン級 名前はお好きなよう呼んでください 私がいた場所は天界と呼ばれてまして、年中常春のそれは素晴らしい世界です 私も、そんな素晴らしい世界で日々の勤めてました 「日々の勤め?」 「天使のお仕事です」 天上へ招かれた死者を、正しい順序で神の前へ誘導させ、裁きを経て…… 「キリスト教とかはよく分からんが、そのあとはどうなる?」 「私も分かりません」 「マジかよ…」 それが私達の仕事です。 暇(いとま)があれば花を摘み、紅茶を飲み、笑い合い……至って人と大差ない生活を営みます。 私も、ちょうどその暇をもらった直後でした 急に私の上司にあたるクラスの天使から、呼び出されました 私は初めての緊急召集だったので緊張が走りました そして、いざ行けば来たのは私だけ……そもそも私しか呼ばれていなかったようです 「無駄な緊張だったな」 「……まったくです」 しかし、上司の表情が決して穏やかなものではなかったのが、その緊張に解く事を許さなかった
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