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俺はすぐに手を振りほどいて後ろにヨロヨロと数歩下がった。
な、ななな!?
なんで落ち武者がこんな所にいやがりますか!?
駆け込み入道でもする途中で死にましたか!?
ざまぁm9(^д^)
じゃねぇぇぇぇぇぇ!!
「うわっ、きもっ、きしょ、グロッ!?」
あまりの気持ちの悪さに、見た感じの感想をありのままにしか言えていない。
しかもコイツなんで頬を赤くしてんだよ!ゲ♂イなのか?それとも両刀ですか?バイですか?
「否、けふぃあでござる」
どうして落ち武者がケフィア知ってるの?乳酸菌知ってる?人には人のとかわかるの?落ち武者なのは見た目だけなの?馬鹿なの?死ぬの?てか死んでるの?
「な、なんだコイツ。おいヒコにゃん!」
「ひにゃぁぁぁぁらめれすぅぅおにゃさけをぉぉぉ」
「噛み噛みっ娘ハァハァ」
ヒコにゃんを見付けてそちらを見てみたが、何やら昔の大名みたいな格好をした男に追い回されていた。
さらにリムを見付けたのだが、こちらは逆に死神の鎌'ガマちゃん'を振り回しながら、近くに群がる落ち武者を追い回していた。
心なしか、リムに追い駆けられている落ち武者達が、マジで怖いもん見たような顔して逃げてるんだが。やはり死神は怖いのかね、死人にとっては。
「すまぬな坊主。我らこの梅森の社の防人(さきもり)が指命を授かった者。多少色物揃いなのが釈ではあるが、皆悪気はないでござる」
「……仕事サボるなよ」
「やや。拙者としたことが、またさぼた~じゅをしてしまったでござる。
これはまたまた'樹(いつき)'殿の痛い言葉が…」
何気に親近感の沸いた落ち武者Aとだべっていると、主……つまり、コイツらを総ている奴の名前が出てきた。
「いつき?お前らの大将か」
「然り。我ら亡霊風情を現世に留まらせていてくださっている、それはそれはやんごとなき御方でな……」
そこまで言ったあと、急に落ち武者Aの体は光を帯びて、消えてしまった。
周りの大名らしき男や落ち武者達も皆、光はじめたあとに消えてしまう。
消えた場所には微かな光だけが残り、その光もある一点に向かって行ってしまう。
「ハァ…ハァ……ひょ、本殿のある方れしゅ…」
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