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ど~んぶらこっと。どんぶらっと。
三途リバーの波に揺られて三千里…。
とはならず、俺は今暗い場所で両手を後ろで縛られていた。
椅子か何かに座らされているようで、なんか尻が冷たい。ていうかこの椅子、石か大理石でできてるだろ。固くて痛いよ。
しかも膝には石か何かが乗っかっているのか、少し重い……けど、温かい。
これは(ペロ)……しょっぱい?
「ひあ……~もう、起きたなら口で言ってくださぃぃ。いきなり首筋なんて…えんまちゃんゾクゾクしちゃいます」
……ん?なんだァ?何なんですかァ?!
「んふ……でも積極的なのは、えんまちゃん嬉しいです」
闇に目が慣れてくると、目の前に誰かがいるのがわかった。
そして完全に見えるようになった時、俺の視界に浮かび上がったのは
「っふぅ……やっと見付けてくれましたねぇ……キ・ヨ・ト・さん♪」
膝の上に乗り、緩やかに笑う、上半身ジャージなのにスカートという服装の、中学生一年生くらい女の子だった。
髪は桃色。ピンクと言うより桃色の膝まで伸びるストレート。
ジャージはヤ○クミがよく着ていた赤いやつで、スカートは白で、何やらめでたそうな色合いだった。
「…………え?」
第一声はもちろんえ?だ。
だってこんなワケのわからないシチュエーションは初めてだもん。初めてなのにドキドキも何もないもん。
「え?」
「いや、え?」
「え?」
「いやそれこそ、え?」
「え?」
なんだこのやり取り!?普通いろいろと事情を知っていそうなそっちから話し振るんじゃないの?違うの!?
「あの……ここは?」
「………えんまちゃんはぁ、閻魔大王様。だからぁ、えんまちゃんなのぉ」
「え」
「え?」
やばい、軽くゲシュタルト崩壊しそう。
でも……え?閻魔大王?なにそれ美味しいの?
「あ、今えんまちゃんでや~らしぃ事考えましたね?エッチィのはぁ、いいことだと思いますぅ」
どう言うこと?マジで俺死にましたか?死神と一緒に死んじゃったのかよ?
回る脳内の細胞はよく働くのだが、必要な情報や対応策を何一つ運ばないから嘘人は困惑する。
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