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え~っと………たしか俺はついさっき?樹に縛り付けられて、なんかリムも一緒になってヒコにゃんがイロイロ頑張ったけど結局ダメでした。
うん、たしかこんな感じな気がする。
つまりは俺は、樹のメラゾーマに直撃して焼け殺されたと?
うわ~いやなもんステラに見せちまったなぁ。絶対トラウマ確定だろ。
俺の体なんてもう炭みたいになってんだろ。
…………。
……なんだろうな。そう考えると、胸の奥がチクチクしてくる。
自分が死んだのがショックなのか、はたまたステラを守れなかったのが悔しいのか。
多分どっちもだ。すげぇショックだ。
あんだけ言っておきながら女の子一人救えな……って、ステラは天使だったか。
どちらにしても、後悔ばかりが後を引くのは確かだな。
しかもリムも巻き添え…と、そう言えばリムは?あいつもたしか一緒に死んだんだよな?
「あ、あの」
「えんまちゃんの歳はヒミツですよ↑」
いやあんたの歳は正直どうでもいいんだよ。
「リムは……俺の連れは?」
「はいぃ?」
ちっちゃな閻魔大王はにこやかなまま首を傾げると、近くにあった机からぶ厚い本を取り出すとペラペラとページを流したあとに、満面の笑みを浮かべて
「…隣で寝てますよぉ♪」
と俺の隣を指差しながら言った。
そちらを見ると、同じように椅子に縛られているリムの姿があった。
閻魔大王は俺からリムの方へと移動すると、リムの真後ろに回り後ろから頭を抱きしめた。
「この娘、リムちゃんって言うんだぁ……へぇ~。
……ちっちゃくて可愛いなぁ♪」
さながら親戚の女の子を可愛がるように撫でて、なんと上着の中に手を入れた。
「お、おい閻魔」
ピッと人差し指を俺に差して
「えんまちゃん」
と訂正を要求してきた。
しかし俺にとってはどうでもよかった。
「こんな時にリムの服の中まさぐって何が楽しいんだよ!?」
「はぅん?あ~これはですねー……えんまちゃんなりのコミュニケーション取りでありましてぇ」
絶対違うよな、顔が笑顔だもんな。
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