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「んで、俺を殺してどうするって?」
「もちろん」
目の前で鎌を振り上げた幼女は
「殺すのよ!」
疑問に対して適切でない答えを投げ飛ばしてきた。
まあ分かった。この子は十中八九おバカだ。
「うっりゃりゃりゃぁ!」
鎌を頭の上で器用に回転させてテンションの上がる幼女。
俺はと言うと、少しビビってる。
当たり前だ。幼女とは言え、凶器を持って明確な殺意をわざわざ口に出して教えてくれたのだ。普通誰だって怖がる。
「うりゃりゃりゃ…っと、とっ?……わふっ」
幼女は回転する鎌を手で止めようとしたら、勢いが良すぎて、止まったは良いが反動で倒れてしまった。
「くぅ~…。あ、アンタ今笑ったわねっ!」
「笑ってねえ笑ってねえ。……ぷっ…」
「笑ったぁぁぁ!」
幼女は立ち上がり、鎌を両手で構えようとしたが、鎌が重くてそのままアスファルトの地面に突き刺さった。
「うぁぁぁぁ!何でこうも調子が狂うワケ!?アンタねっ?アンタのせいね!待ってなさい、その首跳ねてやるから!」
幼女はようやく鎌を地面から抜き出し、しっかりと構えるとこちらに突っ込んで来た。
うわっ、マジかよ!?
マジで俺を殺すのか?!
「ウワッと」
ブンッと振られた鎌を、後ろに跳んで腹スレスレのタイミングで避けた。
「なあぁぁっ!?」
幼女は驚いた風に口をポカンと開けた。
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