おそらく俺は嘘つき狼

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「な…お前……誰っ?」 俺はあまりの唐突な出来事に、使い古されたセリフを吐いてしまった。 いや、この際定番だろうとお約束だろうが構わない。この子が敵か味方か、だ。 「………」 しかし、その少女は何の返答もしなかった。 ただ俺を上から見下ろして、撫でるような視線で俺の体を見つめる。 髪は銀髪で長く、前髪の右をリボンで縛っている。 背丈は俺の首までくらい。そして、大昔の絵画に描かれているような、白い布を巻いただけと言っても間違いではない服。 そして背中の……天使ような白く、神々しい翼。 それだけで、彼女が一目で天使だと分かった。 「あ……アンタまで…! よ、よくもアタシのガマちゃんを退けたなぁ! ぶっ殺してあげるから、そこから動くなぁ!」 いつの間にか地面に着地していた幼女の方はと言うと、鎌を弾かれたらしくご立腹だ。 「ガマちゃん、カッモーーン!」 幼女が手を空に掲げた瞬間、手の平にあの鎌が黒い光を帯ながら出現した。 ガマちゃんって言うんだな、あの物騒なの。 「……お、おい。とりあえず、これだけでも答えてくれ。 お前は味方か?それとも…敵なのか?」 「………」 天使の少女は一度幼女の方へと視線を向けたあと、またこちらに視線を戻し 「………あなたの、盾」 初めて俺の質問を返してくれた。
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