プロローグ――とある高校生の伝説(噂)の真実

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俺はとてつもなく不機嫌だった。 五月初旬、ゴールデンウィーク初日。 学生なら、いや、世間一般ならば当然の様に休日であるこの日。 俺は徐々に夏の影を見せはじめる気温の中を、カッターシャツにスラックスという、言ってしまえば制服を着て忌々しい日光を全身に浴びていた。 額に汗を浮かべながら、学校から家までの道のりにある全てのコンビニに寄りながら歩く。 俺の頭は出来が悪く、イコール宿題も手がつかない――つけられない程に、色々とちんぷんかんぷんだった。 つまり、俺を心配した担任様は今日という祝日を俺の宿題のために犠牲になさったのだ。 実に感激。 実に屈辱。 心遣いこそ立派で、まだ教師歴の浅い新米教師なのに関わらず生徒のために身を粉にして働いているのだが、俺からすれば頭が悪いのは当たり前、特別補習なんて中学でも組んでもらった事はない。 つまり。 「祝日の炎天下に晒しやがって西本のやろぉ……」 って事である。
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