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激しい雨の音で目が覚める。
梅雨に入ってからと言うもの、これでもか! とばかりに降り続く。
「バイトだりぃ……。」
起きて真っ先に浮かぶ事がそれなのも、学生として間違っている気がしなくもない。
「お兄ちゃん、起きてる~?」
ノックも無しにドアを開けながら妹が入ってくる。
エプロンをしているので、料理中だったようだ。
……とはいかないのが、妹の奈緒美だ。
「あ~、もう起きてるぅ。ざんねん!」
手にはオタマとフライパン。何に使用するつもりだったかは、聞かないでおこう。
「おはよう。既に目覚めているので、それを使う必要は無いぞ。」
「せっかく持ってきたんだし、一回くらいは
「駄目だ」ざんねん……」
がっくりと肩を落としているが、以前はフライパンで殴り起こされた身としては、許可出来ない。
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