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 俺とウエストの押し問答に、割り込む声。  ぴたりと口を閉じた俺達は、同時に栗毛少女を見た。  視線を浴びて慌てふためく様子に、何か心が和む。 「わたしのせいで、喧嘩はしないでくださいっ。道に迷って、明かりが見えたから……つい……。だけど、直ぐ、立ち去りますから、だから」  和んでる場合じゃなかった。  ごめんなさいと頭を下げる栗毛少女に、ウエストの手を放して近付いた。 「立ち去るって――駄目だ、こんな夜中に君みたいな女の子を一人になんて出来ないよ」
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