思わぬ場所で

7/20
前へ
/298ページ
次へ
「はじめちゃん、この子でしょ?響って。」 「ほんとにいた。」 頷きながら、はじめさんは俺の顔をまじまじと見ていた。 「どうも。」 彼女に頭を下げると、悟さんがその様子を見て 「お、響の知り合いなの?」 と問い掛けてきた。俺は 「ええ、と‥昼間に劇的な出会いをしまして。」 と、言ってみた。 「そうなの?」 悟にそう聞かれて、はじめは口を尖らせながら 「劇的に転ばされて、靴を壊されたの。」 と、はっきりといわれた。 「‥‥‥‥‥」 一瞬その場が凍りつく。 「‥そうなんだー。そりゃビックリだね。」 悟さんが慌ててフォローをしてくれた。その姿にカナさんは笑いを必死にこらえている。
/298ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1182人が本棚に入れています
本棚に追加