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「は?」 「はじめっていうの。連れてきてくれてありがと。」 笑顔はないけれど、大きくてまつげの長い瞳を伏し目がちにしてこちらに向けて、ちょっと斜に構えた感じの言い方がとてもキュートだった。 ‥かなりタイプだ。 この後俺は、同じような靴と彼女に会いそうな靴を一足、いらないと言い張る彼女を押しのけて無理言って店員に包ませた。 「ね、お詫びだからもらって。」 「でもさ‥」 一足は履いて貰って、後一足入った紙袋をその手に握らせる。 「いいからさ、後これ。」 「なにこれ‥」 「俺の連絡先だから。今度またお詫びさせてね。」 「でもこれ‥」 「いいの、靴くらいもらってよ。」 「重いの。かさばるし。」 「‥‥‥‥‥。」 固まってしまった俺。 そうか、迷惑か‥ またも反省7反発心3(増えてるし)な俺はしばらく黙ってから、ちょっといい考えを思いついた。
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