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「響、今日かなちゃんが連れてきた客、凄いらしいぜ。」
言われて、俺は先輩ホストの啓太に目をやった。
男前な顔で、そういって舌なめずりをする。
どんなに凄いかと色々しゃべってくれたが、俺は全部右から左だった。
「あれはハメるべきだな。」
そのしぐさがはまっていて、俺は小さく「そうですか」とだけ言った。
あまりにもやる気の無い返事に、啓太は「‥ま、お前にゃ関係ないか‥」というと、ほかのホスト仲間のほうへと行ってしまった。
「おい、いくら明日で終わりだからって、あんまり愛想無いのはこまるぞ。」
めんどうそうな俺を見かねて、マネージャーは後ろから声をかけた。
「いくら頭数そろえるためだって、お前にとってははした金だろうけどこっちはきちっと払ってるんだ。愛想良くしろよ。」
「分かってます。マネージャー。」
そういいながら、明日くればおわりだと簡単に考えている自分。
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