詩付き

2/7
前へ
/93ページ
次へ
†毒の無い毒牙 どうせ私は甘いのです 喰らい付く勇気も度胸もないのです。 それでも滴るこの毒牙は 誰に向けて放てば良いのでしょう? 目の前の獲物にすら放てなかったこの腐毒は 結局は自らにしか向けられなかったのです。 そうしてその毒は自らを蝕み 自我を失うほどに腐敗させていったのに 牙から滴る甘い毒は 止まることを知らずに流れ続けて逝きました。 残ったのは甘い毒だけ これだけで私が存在した標は遺せたのでしょうか?
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加