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†毒の無い毒牙
どうせ私は甘いのです
喰らい付く勇気も度胸もないのです。
それでも滴るこの毒牙は
誰に向けて放てば良いのでしょう?
目の前の獲物にすら放てなかったこの腐毒は
結局は自らにしか向けられなかったのです。
そうしてその毒は自らを蝕み
自我を失うほどに腐敗させていったのに
牙から滴る甘い毒は
止まることを知らずに流れ続けて逝きました。
残ったのは甘い毒だけ
これだけで私が存在した標は遺せたのでしょうか?
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