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†羽蛇
黒かった飛膜を白い翼に変えたいが為
己の飛膜を千切り取ってまで
大地へと足を着けてみた
暖かく柔らかなその大地は
体温の無い僕を温めてくれた
僕の全てを包み込んでくれるこの大地は
己を温めてくれた確かな事実のように
僕が存在した証を残してくれるのだろう
それを信じて
僕はこの大地にあまりに小さな軌跡を残そう
…後に、どれだけ地を這っても
黒い皮膜の代わりの白い翼は生えてこないのだと知っていても
二度と空へと飛び立てなかったとしても
僕は恨まないだろう
地に残る痕こそ誉れと
胸を張って立てるのだから。
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