夏が連れてきた運命

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波の音と氷を削る音…二つとも夏を連想させるけど、これが合わさると夏と言っても涼しく感じるモノなのね。 「…ほれ、出来たぜ」 いつの間にか青いシロップがかけられたかき氷が私の目の前に差し出されていた。 「あっ…ありがと」 そう言って私はブルーハワイ味のかき氷を受け取った。 キラキラと輝く氷の粒にタップリと注がれた青いシロップ。 それは美しく混ざり合い、この海を思わせる透明で淡い青い色へと進化を遂げた。 …… はっ!!いけない…かき氷を見てウットリしてしまった…。 横目でチラリと青年を見たが当人は気にしている風でもなく淡々と機械の掃除をしている。 「…じゃあ、いただきま~す…」 かき氷を一口食べてみる。 うん…美味しい!!肉体労働して喉が渇いていたから余計美味しく感じるのかも。 でもそれだけじゃない…普通に売ってるかき氷とは何かが違う気がする。
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