夏が連れてきた運命

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「じいさんの時も理解出来なかったけど…今になってもやっぱ理解出来ないな…」 「まぁ、理解をしてもらうつもりはないよ」 「じゃあ何の為なんだよ?誰にも評価されない、見返りもない、あんたが只苦労してるだけじゃないか」 「いやいや、もうそういうレベルじゃないんだよね、本当にこの海が好きだからさ」 私は立ち上がって広大な海を見回した。 そこにはいつもと変わらぬ私の好きな風景だ。 「いや…待てよ…そう、言うなればお礼…かな?」 「はぁ?お礼?」 「私はさ、この海を見ていると心が安らぐというか…和むというか…とにかく癒されるんだよね。だからそのお礼って感じだね」 「…やっぱ俺には分かんねぇや」 「夏生みたいな人にはまだ分からないかもね」 そう笑顔で夏生に言ってやった。 「ちぇっ、馬鹿にしやがって」 「夏生もお祖父さんみたいにこの海が大好きになったらきっと分かるよ」 「そうかな…そうだといいんだけどな」
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