夏が連れてきた運命

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「おや、夏希ちゃん。今日も精が出るね」 振り向くと砂浜のベンチにいつも座って海を眺めているお爺さん、弦二郎(げんじろう)さんだ。 「弦二郎さん、こんにちわ!私この海超好きですからね!綺麗になってないと気が済まないんですよ!」 あっ、ちなみに夏希っていうのは私の名前、読み方は[なつき]だから…って言われなくても分かるか。 弦二郎さんもこの海が大好きな人、いわば私達は同士というわけだ。まぁ…弦二郎さんもこんな小娘と同じにしてもらっては困ると思うが、それでもこの海が好きな人に悪い人はいないと私は決め付けている。 あれ?という事は私も悪くない人って事?それを自分で言っちゃってる? どーしたもんかまいったね…全く…墓穴を掘った感じ。 私、本来は自分大好き人間なわけではないんだけど…。 まっ、独り言だから何とでも言えるか…。 と1人苦笑い。 さて…そんな下らない事を思いながらもしっかりと私は手を動かし着々とゴミを減らしにかかっていた。 ふぅ…やっぱり炎天下で肉体労働は堪えるわねぇ…。 でも必死に自転車で坂道を上っているさっきとは違い、汗を拭う余裕はあるからまだ幾分かは楽だ。 もう小一時間ゴミを拾い続けているせいかいい加減体が水分を欲して来た。 そんな時、ふと目に止まった氷と書かれた旗。青をベースとしたその旗を見ているだけで何だか涼しい感じがする。 かき氷か…イイね~…少し休憩しよっと!
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