夏が連れてきた運命

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「なっ…何よ?」 「……味は?」 「…はっ?」 「味は?って訊いてんだろ?それとも何もかけずに氷だけ食うつもりか?」 「あ~…え~と…味によって値段が変わったりするの?」 「別に金なんか要らねぇよ、言ってくれればその味のかき氷は作ってやる」 ……えっ?今金なんか要らないって言った? …て事は…タダ!?無料!? 今時珍しい人種も居たもんね~…海でかき氷を無料配付してるとは…なんて良心的!! 印象が二転三転している気もするが…そこは私としては全く気にしない。 たとえ、 「現金なヤツめ!」 って言われてもね。 えぇ、そうよ私は現金なヤツよって開き直ってやる。 だって第一印象があれだけ悪かったんだから無理もないと思わない? って私は誰に問い掛けているんだろう。 「…おい、何だよ?要らねぇのか?かき氷」 青年が怪訝そうな表情で私の顔を覗き込んできた。
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