夏が連れてきた運命

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「えっ…?あっ!ごめん、タダって事に驚いちゃって!…味は何があるの?」 「イチゴどメロン…あとは…え~と…ブルーハワイか」 なんだ、意外に置いてある味とかは普通なのね。もっと他にはない様な味のかき氷とかがあるかと思った。 例えば…味噌汁味とか、青汁味とか…あっ!あと焼肉のたれ味とか…。 自分で言ってて気持ち悪くなってきた…。 まぁ…あったとしても誰も頼まないよね。 「おい、大丈夫か?あんた…」 「あぁ!ごめん、ごめん。私、妄想癖…じゃない、物思いに耽る事が多いから…って、味よね!そうだな…じゃあブルーハワイ貰おうかな」 「あいよ」 そう短く返事をすると青年は自分の足下にあったクーラーボックスから人の顔の大きさ程の氷の塊を取り出し、特注自転車らしき物に積んである機械にセットした。 ハンドルは滑らかに回り出し下の受け皿に削られた氷が落ちて来る。 う~ん……涼しげだねぇ…。
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