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「そんな安い挑発にのることはないさ」
仲間を遮っていた左手を刀の元へ戻し、鋭い目で私を睨んできた。
(自分だって黒須先生に挑発されてのってた癖に……)
口に出して言おうとも思ったがやめた、なぜなら……
来るっ!
伊集院の体が若干前のめりになり刀を横に構える。
第六感的な物が頭の中で警鐘を鳴らす。
わかってる、大丈夫よ。
此処までは作戦どうり、後はあいつ次第……
時間もなく、咄嗟とはいえ出た作戦がこんな博打みたいな賭けだなんてね。
いつも偉そうな癖に情けない……、だからこそ私が名乗り出たんだけどね。
伊集院が力を解放したかのように走りだす、そのスピードはさっきまでとは段違いだった。
動きを追えない訳じゃないわっ!!
横から薙ぐように振るわれた一撃を槍を地面に突き立てガードする。
今は耐えるのよ、じゃなきゃ意味がない!
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