深緑の人工樹海

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「……ピンバッチ?」 黒須先生がもつピンバッチは特に装飾を施されてない至ってシンプルな作りをしていた。 「模擬戦をする時はこれを胸ポケットにつけて戦ってもらう。理由は……ほら」 ピンバッチを手に持った先生は頭上にあるモニターを指差した。 そこには上を見上げている俺達がモニターの一つにハッキリと映し出されていた。 「なるほど、そういう事ね」 何かに気づいたのか、霧島は難しい表情で呟いている。 「コイツを通じて観戦することも出来るし、映像を記録することで後の成績を決める材料の一つともなる」 成績を決める材料の一つ……そう言われたら頑張るしかないな。 徐々にやる気を上げていく俺だが、周りのボルテージは既に限界近く来ていた。
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