深緑の人工樹海

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すぐに霧島達に追いついた俺と香苗は静かに先生の後をついていく。 鬱蒼と茂る樹海の中に入って少し歩いた時先生が止まった。 「まずは互いのチームのスタート地点を決める」 どうやらここと、その少し先にある地点がスタート地点らしい。 「ま、公平にじゃんけんで決めてくれ」 さっさと決めろとばかりに手を組み木にもたれ掛かるが、その容姿のせいかどうにも様になっていない。その実力は折り紙つきなのだが…… 「時間がもったいないし、早く済ませましよ」 班の代表者、霧島が前に出た事により全員の視線が伊集院に向く。 「僕? 僕がそんな低俗な行為をする訳がないだろう、面倒臭い。大輝、君がやれ」 は? なに言ってんだこいつ…… 『何だか昔見た貴族みたいな奴だね~』 シルフの言葉に俺は確かにと頷いた。 申し訳なさそうな大輝が霧島の前に出て来てじゃんけんを始めた。 他の班員達も浅いため息を吐いて、またか……といったような表情を浮かべていた。 「おっ! 勝っちゃった、ラッキー!」 じゃんけんに勝ったのか大輝は嬉しそうに自分の班に戻っていき、何か話していた。 「ごめんなさい、負けてしまったわ……」 悔しそうに顔を歪ませていた霧島は、俺達に頭を下げた。
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