深緑の人工樹海

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「そんな! 気にしすぎだよ霧島さん、ほら顔上げて?」 頭を下げた霧島を見た唯はそんな彼女をらしくないと思ったのか、気にするなと声をかける。 「そうだな、スタート地点が変わるだけで何かが変わるとは思えないし……」 俺も声をかけたがそれが間違いだったようだ。 俺の言葉に敏感に反応した霧島はガバッと頭を上げて青みのかかった瞳で睨んで来た。 「あんた馬鹿!? ここから次のスタート地点まで歩いて行くって事は相手に道を覚えられるってことなのよ!?」 「道……」 「そう! この森の中、私達は相手がいる場所を知らない。けど相手からしたらこっちの場所はまるわかり、これは相当なアドバンテージよ……」 そうか……俺は少し、いやかなり楽観視していたようだ。 確かにこの状況は不利以外の何でもない。 「こいつらを奥のスタート地点に連れてくからお前達はそこで待機な、スタートするときは放送が入るから」 それだけ先生は言うと1班の連中を連れ森の奥へと消えてしまった。 「どうやら相手は国弘君みたいな馬鹿ばっかりではないようね……」 霧島の言葉に心が痛むが今はそんなこと言ってられる状況ではない。 「悪かったよ、とにかく作戦を建てよう。無策よりかはマシだろ?」 「ええそうね……みんな! ちょっと来てくれない?」 …………
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