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『あーあー、聞こえるな?』
しばらくして、頭上に設置されてあるスピーカーから黒須先生の声が聞こえてきた。
『双方の準備が完了したようなのでこれより第一試合を始める……』
ついに始まるのか……
そう思っただけで胸の奥が熱くなり、息が乱れる。
『それでは、第一試合……始めッ!!』
その言葉は俺の鼓膜を強く震動させた。
始まった……俺の始めての実践。身体が自然と震えてきたが、これは武者震いだと自分に言って聞かせる。
『体育館でのことを入れると二度目なんだけどねぇ~』
シルフの言葉に反応しようとしたが不意に制服の裾を引っ張られる。
後ろを向くとリカがいて、何やら深刻そうな顔だ。
「……敵、来ないね」
「当たり前だろ! まだ始まって数十秒しか経ってないよ!! 何めっちゃ歩いてるけど、敵に遭遇しませんオーラ出してんの!?」
「……てへっ?」
てへっ? じゃねぇぇ!! 緊張感なさすぎ、なんなんコイツ!?
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