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「そ、そんな訳ないだろ……」
せわしなく視線をさ迷わせながら、霧島を探して歩く。誰かに見られてる訳でもないので俺は口答でシルフに答えた。
『ふーん、全然見当違いの方に進んでるから迷ってるかと思ったけど違うんだ。だったら何でもないよ』
なん……だっ…て?
シルフの話を聞いた俺は早歩きをピタリと止めた。
「えっと……お前、霧島が何処にいるかわかるのか?」
『うん、勿論他のみんなもねっ!』
開いた口が塞がらないとはこういうことを言うんだろうか。
あんぐりと口を開けた俺は今まで何をしてきたんだ、という自責の念に取り付かれる。
ッ! いつまでもほうけてる場合じゃない!
「シルフ! 霧島のとこに案内してもらえるか!?」
両手で自らの頬を叩き、気を引き締める。
『任せて! まずは元来た道をダッシュ!』
無言で頷く俺は、今までの遅れを取り戻すべく全速力で走り出した。
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