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シルフが言うには俺達の体から漏れている心力の気配を感じ取ることができ、それを個人として判別出来るらしい。
『そこの木を右!』
「おうっ!」
俺が出し切れる限りのスピードを尽くし、視界の悪い樹海の中をひた走る。
どうやら俺は霧島とは真逆の位置に向かっていたらしい。何処かですれ違ってしまったのだろうか……
無為に時間を過ごしてしまった自分が恨めしい、なんの為に一人突っ走ったのかわからないじゃないか。
『ッ! 俊マズイかも……霧島さんのすぐ側に二人分の反応がある、もしかしたら戦ってるのかも!!』
戦っている? しかも二対一だと!?
「くそっ! 急ぐぞシルフっ!」
間に合わなかったら自分が自分を許せねぇ。
『うん! しばらく真っ直ぐ、転ばないでよ俊!!』
待ってろよ霧島!!
…………
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