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昨日の感覚を思い出すのよ!
大丈夫、一度出来たんだから出来ない道理は無いわ……
集中し心力を練り上げる、そして私が一番重要視している視る力の源……瞳に心力を注ぎ込むッ!!
「っ!」
鈍痛を左目に感じ咄嗟に左手で抑える。
「目にゴミでも入ったのかい?」
好機とみたのか、伊集院は地面の土を蹴り駆け出した。
「……あんたと同じ土俵に立っただけよ」
若干の痛みは続いているが何時までも片目を塞いでいる訳にもいかない。ゆっくりと左手を退かして蛇神を構えた。
「その瞳……なっ!? 体が重いっ!?」
「これが私のレベル1『蛇眼』よ』
私の左目が青から紫色に変化した事、突然体の動きが鈍くなった事に驚いたのか伊集院は驚きの声を漏らす。
能力発動中は瞳が蛇の目のようになってしまうのが気持ち悪くて少しネックだけどもね……
動きの鈍くなった伊集院等恐れる事はない、目の前を伊集院の刀……氷結月花[氷花]がクロスを描くように二度振るわれたが余裕を持って避けれる。
刀を振り切った隙を逃す訳もなく、蛇神を横に払い鎧目掛け振り切る。
「ぐっ!」
腹部に直撃した波打った蛇神の刃は氷の鎧の一部を削ぎ伊集院を後退させた。
「まだっ!!」
横に槍を振った遠心力に身を任せ、クルッと一回転した後、蛇神を突き出す。
「伸びなさいっ!!」
胴に直撃した刃はそのままに柄は伸び続ける、脱出する術を持たない伊集院は後方にある木へと無理矢理激突させられた。
「ガハッ……」
木に叩きつけた後、蛇神はすぐに元の長さへと戻り、蛇眼の力も一時解除する。
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