深緑の人工樹海

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「ふっ……、まさかここまで頑張ってくれるとはねえっ……」 ゆっくりと、木にもたれ掛かっていた伊集院が立ち上がる。 彼の鎧には横一線にえぐられた痕と真ん中部分に穴が開いていた。 少なくとも木にも背中から打ち付けたしダメージはあるはずなのだが…… 彼はダメージを殆ど感じさせない様子で背中についた汚れを払い落とし始めた。 「あんたゾンビかなんか? 何でそんなピンピンしてんのよっ!!」 「全く、口の悪い女だ。何で僕がゾンビなんかにならないといけないんだい?」 口が悪いのは自覚済みよっ! ギリギリと歯を食いしばり、まだある程度距離が離れている伊集院を睨みつける。 ゆっくりと歩いて来るのは余裕からだろうか…… けどおかしいわね……。あの鎧だけを見たら結構なダメージは与えたはず、直撃してはいなくてもそれなりの衝撃はあったはずなのに…… 「さてと……今度はこっちの番かな?」 刀から白い靄のような冷気が溢れだし、あっという間に伊集院の周りには数十ものナイフのような形をした氷刃が形成された。 「いけっ『氷刃円舞』!!」
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