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…………
「はぁ、はぁっ!」
「0号、もっと早くッ!!」
「待ってよ1号! 2号と3号がまだッ!」
燃え盛る施設の中、幼い男女の荒い声が響き渡る。
どちらも白銀の髪を短く切り揃えられていて、年は小学生の高学年といったところだろうか、どちらの手にも得物が握られている。
「2号と3号は死んじまったッ!! 俺達を行かせる為に、こんなふざけた世界から逃がす為にっ!!」
0号の幼いながらも愛らしさを感じる顔は涙でくしゃくしゃに歪む。
くそッ! 俺だって悔しいさ。
2号、3号……、すまない。
「いたぞ! 被験体だ、奴らを外に逃がすな!!」
通路の先から白衣を羽織った男達が三人程現れる、武器を持って……だ。
「……っ! 『タイムストップ』!」
0号が右手に持った、天秤が先についている杖を掲げ、そこから鈍い光が広がる。
「うっ……、今だよ1号」
0号の能力で研究員らしき白衣の男達の動きが止まる。
馬鹿みたいな話だよな、自分達が造った兵器に殺されるなんて。
俺は右手に持った黒く輝く光が凝縮されたような剣で情け容赦無く三人の首を切断した。
「行くぞ、0号っ!」
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