阿部「やらないか」 QB「えっ」

16/27

89人が本棚に入れています
本棚に追加
/169ページ
さやか「今日はね、恭介にお土産があるんだ」 上条「へえ……またレアなCDかい?」 さやか「ううん、今日はCDじゃなくてね」 ガチャ 阿部「(バイオリン以外のことも)やらないか」 上条「」 上条「さやか、この人は誰だい……?」 阿部「阿部高和。しがない自動車修理工だ」 上条「ああ、ご丁寧にどうも」 さやか「きっといい刺激になると思って、特別に来てもらったんだよ」 上条「ああ、それはともかくとして、二人はどういう」 阿部「やらないか」ズイッ 上条「さやかは僕を苛めてるのかい?」 上条「なるほどね。さやかが危ないところをありがとうございました」 阿部「礼には及ばないぜ」 さやか「大恩人だよ、本当」 上条「うん、さやかは少し反省しようか。せめて女の子って自覚を持とうよ」 さやか「あれ、心配してくれるの?」 上条「そりゃあ、少しはね」 さやか「少しかよー、大事な大事なさやかちゃんのピンチだったんだぞー」 さやか「まあ、それはそれとして」 さやか「今日は恭介にね、聞いてみたいことがあって来たんだ」 上条「なんだい?」 さやか「うん……」 さやか「恭介がさ、もし、このまま一生バイオリンが弾けなかったら……どうする?」 上条「何だよ、突然……」 上条「……」 さやか「……」 上条「……嫌だよ、何で、そんなこと聞くのさ」 さやか「恭す……」 上条「不安に決まってるじゃないか!そんなの、考えたくもない!」 上条「僕には、バイオリンしかないんだよ!?弾けなくなったら……生きてる意味だって」 阿部「おっとそこまでだ」 さやか「阿部さん……」 阿部「生きてる意味がないって?面白いこと言ってくれるじゃないの」 上条「……何だって言うんですか」 阿部「いやあ、随分と繊細な男だと思ってね」 上条「……っ」 阿部「思わず、汚してやりたくなってきたな」
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!

89人が本棚に入れています
本棚に追加