阿部「やらないか」 QB「えっ」

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上条「えっ」 さやか「ちょ、え?」 ジイイーーー 阿部「ところで、俺のキンタマを見てくれ。こいつをどう思う?」 上条「うわっ、何、なんなんですか!?」 さやか「阿部さん!ストップストップ!」 阿部「このままじゃおさまりがつかないんだよな」グイ 上条「ひいいいいっ!?」 阿部「……とまあ、今のお前は簡単にヤられちまう男だってわけだ」 さやか「え……?」 上条「あ……当たり前じゃないですか!手も足もまともに動かないのに、そんな」 阿部「いいや、関係ないね」 阿部「その体でも全力で振り払うなり、抵抗するなりすればよかっただろう?」 阿部「やらなかったのは、これ以上怪我がひどくなるのが怖かったからさ」 阿部「健康な状態でも逃げこそすれ、お前はそうだろうな」 阿部「指を怪我して、バイオリンが弾けなくなる体になるのが怖いからだよ。犯される寸前でも、その方がマシだって思えるくらいにね」 上条「……何を言ってるのか、わからないです」 阿部「お前は自分の何よりもバイオリンが大事なのさ。だが、それはまったくいいことじゃない」 阿部「バイオリン依存症だ。立派な病気だよ」 上条「!?何を勝手なことを!」 阿部「弾けなくなったら生きてる意味がないって言ったな。そんなのは人間じゃない。バイオリンの部品と同じだ」 阿部「お前、バイオリン弾く以外に本当に何もできないのかい?それ以外、お前に価値を見出してくれる人はいないのかい?」 阿部「俺は医者じゃないから状態は知らないが、その手が治らないものだとして」 阿部「その先どうしようって、本気で考えたことはあったか?」 上条「ない……です」 阿部「なんでだい?」 上条「……他のことをやっていくって、考えたこともなかったから」 阿部「……」
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