無頭蓋症

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紘が申し訳なさそうにドアを開けて入って来ると、医師は紘を椅子に座らせ、私達二人の顔をじっと見た。 『赤ちゃんの頭の形が変だ。うちじゃこれ以上わからないから、今からでかい病院に行って調べてきて!今紹介状書くから!明日から連休に入っちゃうから。多分間違いない。赤ちゃんの頭蓋骨が無くて、脳みそが出てるんだ!』 意味がわからなかった。あまりに突然のことで…。あまりにも何が起きたのかわからなくて……。 病院を出て、車に乗るまで私達は何も話さなかった。 車に乗るとすぐに、涙が溢れた。 『……どうしよう。涙が止まらない。意味わかんないよ!』 『俺もわかんない…。』 紘は車を運転しながら、手が少し震えていた。
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