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「やだなぁ!ちょっといい間違えただけじゃ無いだけじゃないですかぁ」
ケタケタと笑いながら私の手を引き、烝から放そうとする沖田さんだか烝はそれを許さず私を軽々と抱き抱えた。
「この荷物は俺が持つでええわ。…俺以外の男になんて触らせへんで?」
キザ(いつもだけど)な台詞に顔が紅くなる。
烝にまで荷物とか言われたけど…
ギュ...
(もう…荷物でも何でもいいや)
烝のキスで未だ火照る身体で…
(烝にこうやって愛して貰えるなら…なんでもいい…)
そんなことを考えつつ身体を預けた…。
──────
「で?」
沖田さんに部屋を出ていくついでと言わんばかりに源さんに土方さんと話すのでお手伝い出来ませんと伝えるように頼み、私も話しに参加させて貰った。
まだ寝間着姿の土方さんは胸元が少し開いていて妙に艶かしい。
だが真冬なのに寒くないのかと少し心配にもなる。
「…解っとるんやないんですか?─山南さんの事…ですよ」
烝が目を細めて土方さんに問う。
一見茶化して見えるが声が低く、怒りが混じって聞こえる。
烝の言う通り、土方さんは何を尋ねられるか予想がついてたのだろう、眉一つ動かさず、ただ私達を見据えてるだけだった。
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