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ずば抜けた身体能力の烝は絶大な信頼を受けている。
普段からあまり寝れない、そんな生活には慣れているから平気だというが…
"忍失格"
取り下げられた言葉のものの、烝が私のせいで土方さんにそう思われたなんて…
そう思うと凄く苦しかった。
私のせいで烝の信頼を失わせたくない。
…絶対に。
「ねぇ、烝…私ね…頑張って烝の恥じない、足手まといにならないような忍になる…烝をサポート出来るくらい」
しっかりと烝を見据えて言うと烝はフッと笑った。
「…無理はするなよ?」
私は何も答えなかった。
多少の無理をしても、早く上達したい。
「…烝、今日は部屋に戻ってて?山南さんが部屋から出てきたら注意するだけなんだから……早く上達するためにも、一人でこれくらい一人でこなさなきゃ…だから、ねっ?」
私が笑顔でいうと、烝は暫く何も言わず私を見てた。
暗くてよくお互いの顔は見えない。
しかし研ぎ澄まされた烝の目には私がはっきりと映っているだろう。
「…なんや、いきなり…お前は俺に何を隠しとるん?」
私は笑顔で首を振った。
腕に抱きつくとフワリと笑って見せる。
「…なんにも隠してなんかない…ただ、明日も早くから出るでしょ?だから早く寝ないと…集中力、高められないよ?」
私がそういうと烝は何も言わなかった。
少し間を置いてから「…ん、わかった。おやすみ…」と言って私の額に軽いキスを落とす。
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