"ありがとう"と"またね"

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シン..と静まり返る外。 温もりを失った私の体から、体温が一瞬にして失われていく。 「…寒い」 手に息を吹き掛けると、少しだけ温かくなったような気がした。 横目で山南さんの部屋を見ると、丁度電気が消えた。 やっと就寝…? そう思ったのもつかの間、荷物を持った山南さんがいきなり部屋から出てくる。 (…なっ!?) 荷物の量から考えても、格好を考えても… 私は慌てて屋根から飛び降りる。 山南さん…本気で脱走する気…!? 素早く寝巻きを羽織、仕事着(忍服)を隠す。 一度深呼吸をしてから山南さんと鉢合わせする筈の渡り廊下を曲がった。 (絶対…止めなきゃ……) 決意を胸に秘め、暗い渡り廊下を歩くが… 「…あれ……?」 山南さんが消えてしまっていた… (嘘っ!?) 私が屋根を飛び降り、寝間着を来てからまだ10秒も経ってない。 山南さんの部屋からはこのルートからしか外に行けないようになっている。 なのに… (っなんで…!?) 慌てて追いかけようと踵を反すと… 「ひっ…!?」 人が立っていた。 気配も無く立つその人に驚き息を呑む。 まるでホラー映画のワンシーンみたいな状況だった。 「何をしてるんです?」
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