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確か新選組には柔道師範がいる。
たまに稽古場を見に行くと柔道をしているのも見たことがある。
つまり…
たらりと汗が伝う。
もし山南さんが柔道の稽古を受けているのだとすれば…
(100%負ける…っ!)
柔道経験なんて体育でした受けたことがありませーん!!泣
「…てうわっ!?」
いきなり山南さんが私の腕を掴む。
そしてそのまま足を掛けられた。
(ちょっ速いっ!!)
ダァンッ!!という音と共に背中に響くような痛み。
腕を持たれてた事によって身動きがとれず、受け身すら取れなかった。
「アァッ゙!!」
苦しい…痛いっ!!
打ち付けた背中から響く痛み。
更に一発、軽くお腹を殴られる。
軽く殴られただけなのに、一発目が効いたのか意識が朦朧としだした。
「さ…んなん、さ…!」
必死に声を出すと、山南さんは「申し訳ありません…」といい、私から離れる。
「っ…待、って……!」
私の声も虚しく、山南さんの足音と気配が足早に消えた。
必死に声を出そうとするが声が出ない。
「だ…れか…止め…、て」
泣きながら声を出すが掠れた声しか出ない。
だが…─
「和月さん!?」
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