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遊「えぇいwwwwこんな辛気臭い密閉空間にいるから悪いんだwwww取り合えず外行こう!外!!」
レイ「あっ!待ってくださいよ!!」
男は私の手を取るとおかしな空間に飛び込んだ、それに続いてもう一人も飛び込んでくる。
無数の目が蠢く空間にある裂け目から外へと出ると、そこは私が随分と見ることすらなかった外の光景だった。
日が沈み、星々が彩り始めた黄昏の空に、私はまた涙を流しそうになったが、今度は何とか耐えた。
遊「……やっと泣き止んだな……いやぁー焦ったwwwwあ、そだ。傷だらけのボロボロだから戻すなwww
《大嘘憑き》、傷と汚れを無かった事に。」
指を差されたと思ったら、身体中の傷や汚れが跡形もなく。まるで元から無かったかのように消え去った。
不思議だ。これも私の知らない世界の一つなのだろうか。
遊「服も要るよな、そんなボロ布じゃあこちらの精神衛生上よろしくないからなwwwww」
男が手を軽く振るう。
フワッ。とした感触と共に服が現れ、いつの間にか着せられていた。
暖かい布地の感触。とても懐かしい感触だ。
レイ「…………なんでメイド服なんですか?」
遊「いや、だって……銀髪だし……美少女だし……まぁそのぉー……趣味wwww?みたいなwwww」
レイ「最低かこの野郎。」
遊「恐縮ですwwww」
私は強がっていただけだったのかもしれない。とっくに限界なんて来ていたのかもしれない。
ただ、人の好意を知らずに、自分はそうなんだと。自分を諦めていたのかもしれない。
本当は、ずっと助けて欲しかったんだ。こんな風に誰かに手を差し伸べて欲しかった。
だから────
「ありがとう。このクソ野郎。」
遊「ヒドスwwwww」
ありがとう。
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