一杯目「T研の戦い」

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桃色のショートヘアを揺らしながら部長の元へ近づき、その淡い赤色の瞳で彼を見つめる。 「お兄ちゃん、まだ死んじゃ嫌だよぅ……!」 「恋……お前は強く生きろ。」 恋はしゃがみ込み、部長の上半身を抱き抱える。 「そんな……! まるで死亡フラグなんて立てなきゃ良かった……って裏では後悔している脇役みたいな事言わないでよ!!」 「脇役じゃない、サブキャラだ。」 「あ、ごめん。 まるで死亡フラグなんて立てなきゃ良かった……って後悔するサブキャラみたいな事言わないでよ!!」 「すまない、明日の決闘は……任せた……ぞ。 ガクリ。」 部長はそのまま力が抜けたようにうなだれた。 それを恋は必死に揺さ振る。 だが部長が反応することは……ない。 「……そんな、嘘だよねお兄ちゃん……!」 「カーくんは恋ちゃんに託したんだよ。」 「さ、佐奈さん!?」 恋の後ろに立っていたのはT研副部長の、羽田 佐奈その人だった。 「託したって……一体どういう……。」 「カーくんは、恋ちゃんが勝つって信じてお亡くなりになったんだよ……。」 「……そんな。」 恋の瞳は悲しみと絶望に飲み込まれていた。 「お兄ちゃん……お兄ちゃああああああああああああん!!!」
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