一杯目「T研の戦い」

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「…………。 ふふ、明日必ず奴らに一泡吹かせてやる……ふふ、ふふふ。」 「部長が壊れましたね。」 「うん、カーくん紅茶の事になると見境なくなるから。」 部長の不気味な笑いや挙動に一切動じない部員達は、すっかりこの状況に慣れてしまっているようだ。 「でもお兄ちゃん、絶対暴力沙汰は駄目だよ?」 「学園長が出す決闘内容によりけりだがな。」 部長は眼鏡をいつもよりも強めに押し上げながら笑う。 「ククク……アッハッハッ! だが俺は負けん! 紅茶に関係するものならな! あーはっはっはっはァ!!」 「決闘内容は、100mリレーです。」 「………………。」 翌日、部長は燃え尽きていた。 我が学園の小さな学園長は部長にとって一番惨い決断を下したからだ。 「何故かは聞かないで下さい、理由は文化部の争いが運動でやるというのが楽しそうだから、という以外ありませんから。」 学園長、『七草 朱美(ナナクサ アケミ)』。 弱冠12歳で、この学園を牛耳る天才少女である。 しかも頭もよければ容姿もいい。 その紅色の長い髪をツインテールに縛り、幼いながら凛とした整った顔。 学園内にファンクラブがある程だ。
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