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あの人のシャツの胸ポケットからは、いつも素敵なものが出てくる。 カラフルな包み紙のキャンディー、羽飾りの付いた小さなぬいぐるみ、素敵な香りのする匂袋… だから、あの人がいつもの場所にゆったり座っている姿を見つけると、私は上り坂にも関わらず駆け出すのだった。 端から見ずともわかるほど、満面の笑みを浮かべて。 あの人は、気づいていただろうか…私が恋心を抱いていたことに。
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