39人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫よマー君。怖くない怖くない」
と、彼の隣に座る布佐紅真理がその頭を優しく撫でる。
そして――
「今の話、私は面白かったわ。間宮さんもそう思うでしょ?」
「え、わたし?わたしは…う~ん…」
突然同意を求められて、白は苦笑を浮かべた。
鈴花の言うとおりグロテスクな話だとは思ったし、雅也のように怖がるのもわかるが、紅真理の言う“面白かった”には少々理解が追いつかない。
「よくできた話だったと思うのだけど」
こちらがなにも答えられずにいると、彼女は拗ねたように唇を尖らせた。
その様子を見て翔太が言う。
「間宮にお前のオカルト思考が理解できるわけないだろ」
「って言うか誰も理解できないしぃ」
と、鈴花がそれに続いた。
「ふぇ~んダーリン、あの2人が私のことイジメるわ~」
泣き真似をして、紅真理は隣の雅也に飛びつく。
しかし当のカレシは未だ目と耳を閉ざし、震えながら念仏を唱えるだけだった。
最初のコメントを投稿しよう!