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「んじゃどうする。これで終わりにすっか?それとも2周目行っちゃう?」
「終わりにしよう!」
即座にそう答えたのは雅也である。
彼はいつの間にか目と耳を解放していた。
「お前ら知らないのか!こういうことをやってるとな、本当に霊が寄ってくるんだぞ!」
それを聞いた翔太と鈴花がけらけらと笑う。
「雅也、怖がりすぎだって」
「さっきも自分でしてる話にビビってたもんねぇ」
「大丈夫よマー君。私のとっておきに比べたらみんなの話なんて全然怖くないんだから」
カレシに助け舟を出すどころか紅真理までもがそんなことを言った。
怖がりの雅也と、ホラーやオカルトが大好きな紅真理――
そもそもこの2人が恋人同士であること自体、最翁高校の七不思議に数えられてもおかしくはないんじゃないか。
目の前の光景を見て、白はふとそんなことを思った。
「んじゃ、雅也のリクエストに応えて2周目行っちゃいますか」
蒼空がそう言うと、一斉に拍手が巻き起こる。
「霊が寄ってきても俺は知らないぞ!」
雅也だけが尚も非難の声を上げて――
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