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「きっともうそこまで来てるんだ!これ以上こんなこと続けたらあいつら教室に入ってくるぞ!」
ガラガラガラッ!
と、教室の引き戸が勢い良く開いたのはまさにその瞬間だった。
「!?」
白は心臓を跳ね上がらせてそちらを見る――他のみんなも同時に。
「あれ?お前らまだ残ってたのか?」
そこにはクラス担任の佐倉靖代が立っていた。
「なんだ、靖代ちゃんかよ…ビックリさせんなよな」
翔太が安堵の息を漏らす。
「靖代ちゃん言うな。佐倉先生さまと呼べ」
靖代は悪戯っぽい笑みを浮かべて教室に入ってくると――
「つうかお前らなにやってんだ?長い1学期がようやく終わったってのに。早く帰って青春を謳歌しろよ」
「みんなで怖い話を発表していたんです」
と、紅真理がそれに答えた。
「へぇ、面白そうじゃん」
「先生も参加しますか?ちょうどみんな話し終えたところなんで」
「マジで?じゃあトイレに行けなくなるようなやつを聞かせてやろうか」
再び拍手が巻き起こり、靖代が教壇に上がった。
入れ替わるようにして蒼空は、窓側から3番目の席へ。
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