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「なぁなぁ、この辺りに居るってことはあんた同じクラスなんだろ?暇だから何か喋らないか?」
肩をつついてきたのは龍児同様に表情を気だるげに歪ませていた少年、言い忘れていたが龍児は何も適当に座っている訳じゃない、体育館前にクラス表が張られていて自分のクラス事に座るように指示されたからだ。
ちゃんとクラス事になる様に区切りが作られているので、龍児の隣に居る以上彼は龍児と同じクラスだと言うことだ。
「良いぜ、あのクソッタレの話しなんざ聞くだけ無駄だし、退屈を潰すには悪くないな。」
「随分と酷いこと言うなぁ、ま、同感だけど。」
やっぱり話が長い分同じ様に不満が溜まっているらしい、早く終われクソ野郎と言わんばかりの視線を話している真っ最中の中年に送っている。
そんな少年の容姿を、龍児は(視界が塞がれているのに)確認する。
まず背は座っているから分かりづらいが龍児とそう大差は無いだろう、少々がっしりとした体型で髪は短く逆立たせた黒だ。
顔立ちは歳の割りには大人びた、どこか落ち着きがある様に見える、ただ今は気だるげに歪んではいるが静かにしていれば普通にモテそうだ。
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