入学式

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「後でクラス事に自己紹介するかも知れないが先に名乗っとく、俺は柏原信也(かいばらしんや)だ、よろしく。」 「柏原信也ね、じゃあ信也と呼ぶか構わないか?」 「構わないさ、折角同じクラスで偶々とはいえ隣に座った仲だ、好きに呼べよ、それでお前の名は?」 そう問われ龍児は少し悩む。 別に名乗る事自体には何の戸惑いも無いのだが、自分の名は、正確には名字はただの名前ではない。 この日本に住んでいる者なら知らない者は居ないと言っても過言ではない、とある大きな理由で非常に有名なのだ。 だが流石にそのまま名乗らないのは不味いだろう、だから龍児は諦めつつ口を開いた。 「……龍児、闇村(やみむら)龍児だ、よろしくな信也。」 静かに紡がれたにも関わらず、その名は非常に大きな力を有していた。 信也は気だるさが一気に吹き飛ぶ、目を力一杯見開いて龍児の顔を凝視する、その顔には誰が見ても明らかな驚愕が張り付いていた。 「……そいつは……マジか……?」 「あぁ、マジもマジ大マジだ、大体冗談で名乗って良い程軽くないのは信也も分かるだろ?」
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