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四月、暖かな陽光が大地を照らし、新たな出会いが発見出来る……かもしれない季節。
春の代名詞と言える桜が満開に咲き誇り、美しい花吹雪となって舞う中……
「……………………やっぱ、場違いじゃないか俺?」
春の空気に全くの場違いとしか言えない重苦しい溜め息を吐きながら、少年は今更な愚痴を溢していた。
歳は十五、日本人男性の身長を頭一つ分高い身体は細いが鍛えられていて、優男とは決して言えず、髪の色は非常に珍しい事に雪の様に純白である。
ただでさえ珍しい髪の色、近くを通る人達に不思議なものを見るような視線を送られるが、気にしない、髪以上に異色とも部分があり、いつも奇異の目で見られ続けていたので今更この程度の視線どうってことない。
その、両目を完全に塞いでいる、腰までの長さのある真紅の目隠しが原因で。
話を戻し、その身を包んでいるのは真新しいページュの長袖の上着に紺の長ズボン、上着の左胸辺りには黒の刺繍で竜の模様が縫い付けられていた。
四聖院魔術学園、日本で三大魔術学園と数えられる学園の制服。
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